サトウは馬を走らせた。夜の帳が下りて闇は深まっていた。細い三日月の光だけが頼りの険しい山道をペガサスとともに駆け降りた。足元が暗く、何度も藪に突っ込み、大木にぶつかりそうになった。興奮するペガサスに声を掛けて落ち着かせた。「ペガサス、おま…
鈍痛のなかサトウは目を覚ました。頭が重く胃がむかむかした。身体を動かしてみると左手と右足が鎖で繋がれていた。サトウは頭中の霧をかき分けるようにして記憶を辿った。興奮したトーラに注射を打たれたのだ。睡眠剤かあるいは麻薬の類かもしれない。一晩…
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