物語だんだん

だんだん物語となるべし段の談

黄金の鍵

黄金の鍵

ハンスは燭台を手に暗い廊下を進んだ。奥の壁に掛けられた絵の前で立ち止るとうつむいた。これまでこの絵をちゃんと見たことがなかった。ハンスは意を決して顔を上げた。「ああっ」描かれている女性はハンスの祖母だった。祖母はハンスが小さい頃に亡くなっ…